Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めいあん

明暗

夏目 漱石

Lisez 明暗 (めいあん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 322 590 caractères · 645 écrans

Aozora Bunko

津田が困る。今までの行がかり上堀に訳を話す。京都に対して責任を感ずべく余儀なくされている堀は、津田の窮を救う事によって、始めて父に対する保証の義務を果す事ができる。それで否応なしに例月分を立て替えてくれる。父はただ礼を云って澄ましている。

こう段落をつけて考えて見ると、そこには或種の要心があった。相当な理窟もあった。或程度の手腕は無論認められた。同時に何らの淡泊さがそこには存在していなかった。下劣とまで行かないでも、狐臭い狡獪な所も少しはあった。小額の金に対する度外れの執着心が殊更に目立って見えた。要するにすべてが父らしくできていた。

ほかの点でどう衝突しようとも、父のこうした遣口に感心しないのは、津田といえどもお秀に譲らなかった。あらゆる意味で父の同情者でありながら、この一点になると、さすがのお秀も津田と同じように眉を顰めなければならなかった。父の品性。それはむしろ別問題であった。津田はお秀の補助を受ける事を快よく思わなかった。お秀はまた兄夫婦に対して好い感情をもっていなかった。その上夫や姑への義理もつらく考えさせられた。二人はまず実際問題をどう片づけていいかに苦しんだ。