Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めいあん

明暗

夏目 漱石

Lisez 明暗 (めいあん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 322 590 caractères · 645 écrans

Aozora Bunko

「だから私が今日わざわざここへ来たんじゃありませんか」と夫人が云った時、津田は思わず彼女の顔を見た。

「実は疾うから、あなたの料簡をよく伺って見たいと思ってたところへね、今朝お秀さんがあの事で来たもんだから、それでちょうど好い機会だと思って出て来たような訳なんですがね」

腹に支度の整わない津田の頭はただまごまごするだけであった。夫人はそれを見澄してこういった。

「誤解しちゃいけませんよ。私は私、お秀さんはお秀さんなんだから。何もお秀さんに頼まれて来たからって、きっとあの方の肩ばかり持つとは限らないぐらいは、あなたにだって解るでしょう。先刻も云った通り、私はこれでもあなたの同情者ですよ」

「ええそりゃよく心得ています」

ここで問答に一区切を付けた夫人は、時を移さず要点に達する第二の段落に這入り込んで行った。

「清子さんが今どこにいらっしゃるか、あなた知ってらっしって」

「関の所にいるじゃありませんか」

「そりゃ不断の話よ。私のいうのは今の事よ。今どこにいらっしゃるかっていうのよ。東京か東京でないか」

「存じません」

「あてて御覧なさい」

津田はあてっこをしたってつまらないという風をして黙っていた。