Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
めいあん
明暗
Lisez 明暗 (めいあん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 322 590 caractères · 645 écrans
津田はその時着物を着換えていた。絞りの模様の入った縮緬の兵児帯をぐるぐる腰に巻く方が、彼にはむしろ大事な所作であった。それほど軽く※(「糸+慍のつくり」、第3水準1-90-18)袍の中味を見ていた彼の愛嬌は、正直なお延の返事を待ち受けるのでも何でもなかった。彼はただ「はあそうかい」と云ったぎりであった。
「お気に召したらどうぞ温泉へも持っていらしって下さい」
「そうして時々お前の親切でも思い出すかな」
「しかし宿屋で貸してくれる※(「糸+慍のつくり」、第3水準1-90-18)袍の方がずっとよかったり何かすると、いい恥っ掻きね、あたしの方は」
「そんな事はないよ」
「いえあるのよ。品質が悪いとどうしても損ね、そういう時には。親切なんかすぐどこかへ飛んでっちまうんだから」
無邪気なお延の言葉は、彼女の意味する通りの単純さで津田の耳へは響かなかった。そこには一種のアイロニーが顫動していた。袍は何かの象徴であるらしく受け取れた。多少気味の悪くなった津田は、お延に背中を向けたままで、兵児帯の先をこま結びに結んだ。
やがて二人は看護婦に送られて玄関に出ると、すぐそこに待たしてある車に乗った。