Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めいあん

明暗

夏目 漱石

Lisez 明暗 (めいあん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 322 590 caractères · 645 écrans

Aozora Bunko

「なぜその背広といっしょに外套も拵えなかったんだ」

「君と同なじように僕を考えちゃ困るよ」

「じゃどうしてその背広だの靴だのができたんだ」

「訊き方が少し手酷し過ぎるね。なんぼ僕だってまだ泥棒はしないから安心してくれ」

津田はすぐ口を閉じた。

二人は大きな坂の上に出た。広い谷を隔てて向に見える小高い岡が、怪獣の背のように黒く長く横わっていた。秋の夜の灯火がところどころに点々と少量の暖かみを滴らした。

「おい、帰りにどこかで一杯やろうじゃないか」

津田は返事をする前に、まず小林の様子を窺った。彼らの右手には高い土手があって、その土手の上には蓊欝した竹藪が一面に生い被さっていた。風がないので竹は鳴らなかったけれども、眠ったように見えるその笹の葉の梢は、季節相応な蕭索の感じを津田に与えるに充分であった。

「ここはいやに陰気な所だね。どこかの大名華族の裏に当るんで、いつまでもこうして放ってあるんだろう。早く切り開いちまえばいいのに」

津田はこういって当面の挨拶をごまかそうとした。しかし小林の眼に竹藪なぞはまるで入らなかった。

「おい行こうじゃないか、久しぶりで」

「今飲んだばかりだのに、もう飲みたくなったのか」