Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 158 540 caractères · 319 écrans
きょうはその翌日である。
併しこの文字清と和泉屋とのあいだに、どんな関係が結び付けられているのか、それは半七にも想像が付かなかった。
「そのことに就いて、文字清さんが大変に口惜しがっているんですよ」と、お粂がそばから口を添えた。
文字清の蒼い顔には涙が一ぱいに流れ落ちた。
「親分。どうぞ仇を取ってください」
「かたき……。誰の仇を……」
「わたくしの伜の仇を……」
半七は煙にまかれて相手の顔をじっと見つめていると、文字清はうるんだ眼を嶮しくして彼を睨むように見あげた。その唇は癇持ちのように怪しくゆがんで、ぶるぶる顫えていた。
「和泉屋の若旦那は、師匠、おまえさんの子かい」と、半七は不思議そうに訊いた。
「はい」
「ふうむ。そりゃあ初めて聞いた。じゃあ、あの若旦那は今のおかみさんの子じゃあないんだね」
「角太郎はわたくしの伜でございます。こう申したばかりではお判りになりますまいが、今から丁度二十年前のことでございます。わたくしが仲橋の近所でやはり常磐津の師匠をして居りますと、和泉屋の旦那が時々遊びに来まして、自然まあそのお世話になって居りますうちに、わたくしはその翌年に男の子を産みました。