Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 158 540 caractères · 319 écrans

Aozora Bunko

憎らしいっちゃありません」

飛んでもない怨みを云われて、半七はいよいよ持て余したが、それでもやはり笑いながら其の相手になっていた。

「まあまあ、堪忍してやるさ。そう云っちゃあ何だけれど、一年三両の給金取りが一両、二両の工面をすると云うのは大抵のことじゃあねえ。お前さんも可愛い男のことだ。そこを察してやらにゃあ邪慳だ」

「だって、又さんの話じゃあ、なんでも近いうちに纏まったお金がふところへはいると云うんですもの、こっちだって的にしようじゃありませんか。それとも嘘ですかしら」

「そう訊かれても返事に困るが、あの男のことだから丸っきりの嘘でもあるめえ。まあ、もう少し待ってやることさ」

受け太刀に困っている半七を、お六が横合いから救い出してくれた。

「まあ、安ちゃん。もう好い加減におしよ。親分さんが御迷惑だあね。又さんのことはあたしが受け合うから安心しておいでよ」

それを機に半七は逃げ支度にかかった。相手が相手だけに、まさか無愛嬌に別れるわけにも行かないので、半七は紙入れから二朱銀を出して、紙にくるんでお六に渡した。

「少しだが、これで蕎麦でも食ってくんねえ」

「おや、済みません。