Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 158 540 caractères · 319 écrans

Aozora Bunko

「なに、泥坊……。飛んでもねえことを云うな。おれが何を盗んだ」

「しらばっくれるな。俺はちゃんとてめえの面を覚えているんだ。いけずうずうしい野郎だ。どうするか見やあがれ」

御符売りは相手の胸倉を掴んだままで力まかせに幾たびか小突きまわした。男もその手をつかんで捻じ放そうとした。小さい船はゆれ傾いて女や子供は泣き出した。

「船の中で喧嘩をしちゃあいけねえ。喧嘩なら岸へ着いてからにしておくんなせえ」

船頭は叱るように制した。ほかの乗合の客も口々になだめたので、御符売りはよんどころなしに手をゆるめた。併しまだそのままに済ませそうもない嶮しい顔色で、相手を屹と睨み詰めていた。

船が本所の河岸へ着くと、半七はまずひらりと飛び上がった。つづいて彼の男が上がった。そのあとを追うように御符売りも上がって来て、再び彼の袖を掴もうとするのを、男はあわてて振り切って逃げ出そうとしたが、その片腕はもう半七に押えられていた。

「おまえさん、何をするんです」と、男は振り放そうと身をもがいた。

「神妙にしろ、御用だ」

半七の声は鋭くひびいた。男は不意に魂をぬき取られたように、ただ棒立ちに突っ立ったままであった。