Classiques japonais avec furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Lisez 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 154 788 caractères · 299 écrans
とホセはもう一度頸へ手をやった。「私ばかりじゃねいんです。ガルボの奴もこれになりやした。おまけに奴ときちゃ、奥様から悲哀を嗾けられて、向う脛と頬ッぺたに喰い付かれやがって、ウンウン唸って寝込んでる始末でさあ!」
給士頭のガルボも、園丁のホセも、この三、四日、妙に姿を見せないと思っていたら、揃いも揃ってアッサリとドローレスの手で解雇されていたのであった。しかもドローレスが悲哀を嗾けて、ガルボが怪我をして寝込んでいるというに至っては、まったく唖然として、私は開いた口が塞がらなかった。しばらくは茫然として、ホセの顔ばかり瞶めていた。
「旦那、内々で少しお耳に入れてえことがありやす」
「…………」私は黙って頷いた。もうこうなってはこの男の方に話がないと言っても、私の方で一応この男から話を聞いてみぬことには、この初耳の事件の合点がいかぬのであった。「まあ、かけるがいい……ところで話は早いがいいと思うのだが、一体どうしたというわけなのだな? 何が何やら頓と私には納得がいかんのだが……」
しかしホセは急に黙り込んでモジモジと中腰で椅子にかけながら、クタクタの帽子を掌の中で揉んでいるだけで、なかなか話の緒口を切ろうともしないのであった。