Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 146 773 caractères · 294 écrans

Aozora Bunko

で、彼は、本田の家に帰って来てこれまでに感じたことのない、ある新しいあたたかさを感じながら、靴の紐をときはじめたのだった。

するとお祖母さんが言った。

「おや、今日は靴を履いて来たのかい。母さんにこないだいただいたのを、もうおろしたんだね。田舎の小学校では靴はいるまいに。」

次郎は、思わずお芳の顔を見た。お芳は、しかし、何の変った表情も見せてはいなかった。次郎は、安心したような、物足りないような変な気になりながら、上にあがった。

それから、みんなは茶の間の長火鉢のまわりに坐ったが、偶然だったのか、そうなるのが自然だったのか、いつも俊亮の坐るところにお祖母さんが坐り、その左に恭一、お祖母さんと向きあってお芳、その右に俊三、そして次郎は、恭一と俊三との間に一人だけ横向に坐ることになった。そして坐ると同時に、四人はすぐ火鉢に手をかざしたが、次郎だけは、手を出さなかった。四月に入ったばかりで、陽気はまだ寒かったが、四里近くの道を歩いて来たばかりの次郎には、火の気の必要がほとんど感じられなかったのである。

しかし、この瞬間、次郎は何ということなしに、変に冷たいものが、ふと自分の胸をとおりぬけるような気がした。