Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 146 773 caractères · 294 écrans

Aozora Bunko

文句は次のとおりであった。

一、武士道に於ておくれ取り申すまじき事

一、主君の御用に立つべき事

一、親に孝行仕るべき事

一、大慈悲をおこし人の為になるべき事

次郎は、武士道という言葉の意味を、はっきりとは知っていなかった。しかし、第一条はよくわかるような気がした。第二条と第三条とは、これまで修身の時間で十分教わって来たことだし、べつに珍しいとも思わなかった。親孝行のことを、自分の境遇にあてはめて考えてみようという気にも、まるでならなかった。ただ、この二箇条をなぜはじめの方に書いてないのだろう、と、それがちょっと不思議に思えた。

第四条の「慈悲」という言葉が、妙に彼の心をとらえた。彼はその言葉の意味を「武士道」という言葉の意味以上に知っていたわけではなかったが、その字を見た瞬間、すぐ正木のお祖母さんのことを思い起したのだった。

「慈悲深い方だ。」――「仏様のような方だ。」

これが正木のお祖母さんの噂をする時に、村人たちがいつも使う言葉だったのである。

次郎は、何度も大慈悲の一条をよみかえした。そして、正木のお祖母さんが、自分や、家庭の者や、村人たちに対して、言ったりしていたことを、いろいろと回想してみた。