Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 146 773 caractères · 294 écrans
この大理石像は、お墓詣りがたび重なるにつれて、いよいよ鮮明になって行った。しかも、不思議なことには、その顔は、彼の記憶に残っている母の顔そのままのものではなかった。それは、もっと美しい、神々しい顔だった。やや伏眼に半眼にひらいた眼つきには、どこかに観音さまを思わせるものさえあった。
次郎は、学校の綴方の時間に、このごろ感じたことを何でもいいから書け、と先生に言われて、「地下に眠る母」という題で、お墓詣りのおりのこうした感じを、そのまま書いて出した。すると、そのつぎの綴方の時間には、先生は、みんなのまえでそれを朗読したあと、黒板の横の壁にピンで貼り出した。題のうえには三重圏が朱で大きく書いてあり、文末には、
「先生も思わず静かな気持に誘いこまれてしまいました。君の孝心がこの名文を書かせたものと思います。」
と記してあった。
次郎は、しかし、先生が朗読をはじめた瞬間、後悔に似た感じに襲われた。ひとりで大事にしまっておいたものを、だしぬけに人に見つかったような気がしてならなかったのである。彼は最初顔をまっかにした。が、朗読が終るころには、むしろ青ざめていた。