Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 146 773 caractères · 294 écrans

Aozora Bunko

みんなが床についたのは、十一時ごろだった、二階では、お浜がまん中に、その右に次郎、左にお鶴が寝た。さほど寒い夜でもなかったので、寝てみると案外楽だった。三人の胸の中には悲しいまでの喜びが、しっとりしみ出ていた。

むろん、誰もすぐにはねむれなかった。お浜の口からは、校番室の頃の思い出が、つぎつぎにくりひろげられて行った。次郎とお鶴とはほとんど聞き役だった。ことにお鶴は無口で、合槌もめったにうたなかった。それでも、彼女が耳をすましていたことは、何か可笑しい話が出ると、すぐ「くっくっ」と笑い出すので、よくわかった。

お浜の思い出話の中には、次郎の記憶に残っていないことが、かなり多かった。次郎とお鶴がよく乳を争って泣いたこと、それがやかましいと言って先生に叱られ、お浜が一人を抱き、一人をおんぶして田圃道を歩きまわったこと、抱かれた方はすぐ泣きやむが、おんぶされた方はなかなか泣きやまなかったこと、――また、三歳か四歳ごろ、次郎が昼寝をしているお鶴の耳に豌豆を押しこんで、大騒ぎをしたこと、改作爺さんの入歯を玩具にして、一日、どうしてもそれを返そうとしなかったこと、北山の山王祭の人ごみの中で、買ってもらったおもちゃの風車をやたらにふりまわし、若い女の結い立ての髪にそれをひっかけて、その女を泣かしたこと――お浜は、そうした