Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ダンスマカブル
死の舞踏
野村 胡堂
Lisez 死の舞踏 (ダンスマカブル) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 576 caractères · 21 écrans
四
「――――」
「赤鉛筆の印は、誰が付けても同じことで、幽香子姉様が書いたのだという証拠はありません。それに――」
「わかった、一寸考えさしてくれ」
私はもう一度ピアノの上に、楽譜を投り出して考えこみました。
楽譜の暗号は、音楽家だけにわかるもので、これを警官に呑み込ませるのは、容易の業ではありません。それに。二人の医者が明瞭に病死と診断して、焼いて骨にして百日も経った死体を、今更問題にしたところが、どうなるでしょう。
「それじゃ、何うすればいいのだ。隣りの馬鹿騒の中へ、この楽譜を持ち込んで、佐良井の奴を面責しようか」
「あれ、そんな事をなすっちゃいけません、そんな事で驚くような相手では無いんです」
愛子は必死と、憤怒に狂って理性を失いかけた私の胸にすがり付きます。
四
愛子の涙にひたって居る内に、私の怒は漸く凪いで、やるせない悲みが、その代りに私の胸を領してしまいました。
「可哀想な幽香子、お前はとうとう殺されたのかい、あの残虐な夫を憎む術さえ知らなかったお前も、さすがに死に際になって、その怨を私にだけ知らせるために、こんな手数のかかる暗号を工夫したのかい、可哀想な幽香子」