Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ししゃのしょ

死者の書

折口 信夫

Lisez 死者の書 (ししゃのしょ) de 折口 信夫 (おりくちしのぶ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 62 340 caractères · 126 écrans

Aozora Bunko

郎女さま。

緘黙を破って、却てもの寂しい、乾声が響いた。

郎女は、御存じおざるまい。でも、聴いて見る気はおありかえ。お生れなさらぬ前の世からのことを。それを知った姥でおざるがや。

一旦、口がほぐれると、老女は止めどなく、喋り出した。姫は、この姥の顔に見知りのある気のした訣を、悟りはじめて居た。藤原南家にも、常々、此年よりとおなじような媼が、出入りして居た。郎女たちの居る女部屋までも、何時もずかずか這入って来て、憚りなく古物語りを語った、あの中臣志斐媼――。あれと、おなじ表情をして居る。其も、尤であった。志斐老女が、藤氏の語部の一人であるように、此も亦、この当麻の村の旧族、当麻真人の「氏の語部」、亡び残りの一人であったのである。

藤原のお家が、今は、四筋に分れて居りまする。じゃが、大織冠さまの代どころでは、ありは致しませぬ。淡海公の時も、まだ一流れのお家でおざりました。併し其頃やはり、藤原は、中臣と二つの筋に岐れました。中臣の氏人で、藤原の里に栄えられたのが、藤原と、家名の申され初めでおざりました。

藤原のお流れ。今ゆく先も、公家摂の家柄。中臣の筋や、おん神仕え。