Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lisez 浮雲 (うきぐも) de 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 980 caractères · 222 écrans
「母が悪い顔をしたッてそんな事は何だけれども……」
「エ、関わんと仰しゃるのですか」
ト文三はニコニコと笑いながら問懸けた。
「だッてそうじゃ有りません。貴君が貴君の考どおりに進退して良心に対して毫しも耻る所が無ければ、人がどんな貌をしたッて宜いじゃ有りませんか」
文三は笑いを停めて、
「デスガ唯慈母さんが悪い顔をなさるばかりならまだ宜いが、或はそれが原因と成ッて……貴嬢にはどうかはしらんが……私の為めには尤も忌むべき尤も哀む可き結果が生じはしないかと危ぶまれるから、それで私も困まるのです……尤もそんな結果が生ずると生じないとは貴嬢の……貴嬢の……」
ト云懸けて黙してしまッたが、やがて聞えるか聞えぬ程の小声で、
「心一ツに在る事だけれども……」
ト云ッて差俯向いた、文三の懸けた謎々が解けても解けない風をするのか、それともどうだか其所は判然しないが、ともかくもお勢は頗る無頓着な容子で、
「私にはまだ貴君の仰しゃる事がよく解りませんよ。何故そう課長さんの所へ往のがお厭だろう。石田さんの所へ往てお頼みなさるも課長さんの所へ往てお頼みなさるも、その趣は同一じゃ有りませんか」