Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かわ

牛をつないだ椿の木

新美 南吉

Lisez 牛をつないだ椿の木 (かわ) de Niimi Nankichi (新美 南吉) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.

N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 75 647 caractères · 155 écrans

Aozora Bunko

張紅倫

張紅倫

新美南吉

一

奉天(ほうてん)大戦争(一九〇五年)の数日まえの、ある夜中のことでした。わがある部隊の大隊長青木少佐は、畑の中に立っている歩哨(ほしょう)を見まわって歩きました。歩哨は、めいぜられた地点に石のようにつっ立って、きびしい寒さと、ねむさをがまんしながら、警備についているのでした。

「第三歩哨、異状はないか」

少佐は小さく声をかけました。

「はっ、異状ありません」

歩哨のへんじが、あたりの空気に、ひくく、こだましました。少佐は、また、歩きだしました。

頭の上で、小さな星が一つ、かすかにまたたいています。少佐はその光をあおぎながら、足音をぬすんで歩きつづけました。

もうすこしいくと、つぎの歩哨のかげが見えようと思われるところで、少佐はどかりと足をふみはずして、こおった土くれをかぶりながら、がたがたがた、どすんと、深いあなの中に落ちこみました。

ふいをくった少佐は、しばらくあなのそこでぼんやりしていましたが、あたりのやみに目もなれ、気もおちついてくると、あなの中のようすがうすうすわかってきました。それは四メートル以上の深さで、そこのほうがひろがっている、水のかれた古井戸だったのです。