Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いきているかんばん

生きている看板

小川 未明

Lisez 生きている看板 (いきているかんばん) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 965 caractères · 6 écrans

Aozora Bunko

町から、村へつづいている往来の片側に、一軒の小さなペンキ屋がありました。主人というのは、三十二、三の男であったが、毎日なにもせずに、ぶらぶらと日を送っていました。このあたりの商店は、一度、かけた看板は汚れて、よくわからなくなるまで、懸けておくのが例であって、めったに、新しくするということはなく、また、新しい店が、そうたくさんできて、看板を頼みにくるということもなかったのです。

「そんなことで、商売になりますかな。」といって、ペンキ屋のことを近所でうわさするものもありました。

それも、そのはずであって、いくら、地方の小さな町といっても、工場では、機械が運転をして、人々はせっせと働いていたし、またほかの商店では、一銭二銭と争って、生活のためには、血眼になっていたからでした。

ペンキ屋の主人の兵蔵は、ぶらぶらとして、自分の家の戸口を出たり、はいったりしていました。そして、ぼんやりとするときは、町の方をながめ、あるときは、村の方をながめて空想していました。

彼が、どんなことを頭の中に思っているか知った人はありません。ただ、彼が、こうして、いるうちに、彼を除いて世の中は、せっせと駆け足をしていたのであります。