Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
Lisez 白髪鬼 (はくはつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 046 caractères · 224 écrans
いうまでもなく、それは瑠璃子の使用した病室だ。彼女が不義の子を生み落した罪の部屋だ。
わしはその部屋を最後に残して置いた。よく子供がする様に、一番おいしいご馳走はあとまで残して楽しむのがわしの流儀だ。だがとうとうその部屋へ来た。わしは襖の引手に手をかけながら客達を振向いて云った。
「あなた方は怪談をお好みではありませんか。若しおいやなればよしてもいいのですが、実はこの部屋は怪談の部屋なのですよ」
瑠璃子も川村も、この不気味な言葉にギョッとしたらしかったが、弱みを見せてはならぬと思ったのか、つけ元気で、是非見たいものだと答えた。
それではお見せしましょう、とわしは襖を開いた。赤茶けた畳、くすんだ襖、すすけた障子、陰気な茶色の砂壁、古めかしい掛軸、見るからに曰くのあり相な六畳の部屋だ。障子の外は縁側になって、庭に面しているのだが、曇り日の為か、軒が深いせいか、室内はまるで夕暮れの様に薄暗い。
「どうしてこの部屋丈け手入れをしなかったかと云いますとね。この陰気な味が妙にわしの心を惹いたからですよ。そうは思いませんか。まるで薄暗い世話狂言の舞台でも見る様な、何とも云えぬ味わいがあるではありませんか」