Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はくはつき

白髪鬼

江戸川 乱歩

Lisez 白髪鬼 (はくはつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 046 caractères · 224 écrans

Aozora Bunko

瑠璃子は、目のふちを真赤にして(娼婦というものは、心にもなく顔赤らめる術を心得ているものだ)じっとうつむいていたが、わしの言葉が熱して来るに従って、彼女は何か総毛立つ様に身を震わせ、感激の面を上げて、わしを見上げた。

アア、彼女は泣いているのだ。彼女のまぶたには、水晶の様な涙の玉がつらなり、唇は感激にふるえ、何事をか云わんとして、言葉も出でぬ有様だ。実に至芸である。嘗ては彼女の夫であったわしも、瑠璃子がこれ程の名優であろうとは、少しも知らなんだ。

「あたし、こんな嬉しいことはありません。叶わぬこととは思いながら、あたし、それを夢見ていたんです。あなたの力強い腕に抱かれることを夢見ていたんです」

瑠璃子は名文句を吐きながら、熱い手を伸ばしてわしの手をとった。そして、いつか川村に対してした通りに、涙にぬれ輝く顔を仰向け、半開の赤い唇を震わせながら、わしの顔の真下に迫って来た。

わしは流石に狼狽しないではいられなかった。この仇敵と唇を交わさねばならぬとは、余りにも苦々しい事だ。わしは躊躇した。だが、次の瞬間には、接吻は何も愛情の印ばかりとは限らぬ、相手を侮辱し、弄んでやる積りなら少しも構わぬではないかと思い返した。