Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はくはつき

白髪鬼

江戸川 乱歩

Lisez 白髪鬼 (はくはつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 046 caractères · 224 écrans

Aozora Bunko

で、頭の中では、何を夢見ていたかと云うと、わしの生涯の主な出来事が、次から次と、フラッシュ・バックみたいに、見えて来るのだ。父の顔、母の顔、祖父の姿、自分の幼時のおもかげ、小学時代のいたずら、東京の学生生活、川村を初め親しい友達の影像、瑠璃子との愛の生活の数々の場面、おできの出来た彼女の顔の大写し、産毛の生えた瑠璃の様な肌の顕微鏡写真。という様な数限りもない夢の連続だ。

無論それは墜落中の数秒間の出来事だ。どうしてその短い間に、あんな沢山の夢が見られるのかと、今考えても不思議で仕方がない。

夢を見続けている内に、わしの身体が、何か地面の様なものに、ゴクンとぶつかったのを、幽かに幽かに感じたかと思うと、わしの意識は、漠々たる空に帰してしまった。一切合切、何もないのだ、自分もなければ、世界もない。第一存在の感じがない。ただ無、ただ空である。例えば我々が夢も見ず熟睡している時と同じことだ。

わしは死んでしまったのだ。

どれ丈けの時間が経ったかは、無論分らぬ。死人には空間も時間もありはしないのだ。だが、その漠々たる絶無の中に、何かしらある様な感じが生れて来た。