Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はくはつき

白髪鬼

江戸川 乱歩

Lisez 白髪鬼 (はくはつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 046 caractères · 224 écrans

Aozora Bunko

わしは、この一縷の望みに奮い立った。今度は無見当に走り廻るのではない。壁を伝って、注意深く、穴蔵の中を一周して見ることにした。

わしはもう、ドキドキしながら、まるで富籤でも抽く様な気持で、ソロソロと歩き出した。そして、穴蔵を半周したかと思う頃、冷い金属の棒が手に触れた。

わしの嬉しさを察して下さい。あったのだ。燭台があったのだ。しかも、その上の蝋燭立てには、三本の燃え残りの蝋燭まで揃っていたではないか。

わしは夢中になって、惶しく袂に手をやった。いつもそこにマッチが入っているからだ。ところが、アア、何ということだ。神様、神様。わしはどうしてこうまで不幸なのだ。

だが考えて見れば、それに気附かず、夢中になって喜んだわしが馬鹿であった。普段着を着て棺に入っている死骸はない。わしは経帷子を着せられていた。経帷子の袂にマッチなぞが入っている道理がないのだ。

だが、みすみす、蝋燭に触っていながら、たった一本のマッチがない為に、光を見ることが出来ぬとは、あんまりむごたらしい運命ではないか。

わしは腹立しさに、重い燭台を取って、力まかせに地上へ投げつけた。

と、燭台そのものの音の外に、カチャンという軽い物音が聞えた。