Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
Lisez 白髪鬼 (はくはつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 046 caractères · 224 écrans
或は気を失って、そこへ悶絶してしまったかも知れない。
その瀬戸際でやっと彼等は身を起した。そして、激情に目の縁を赤くして、又してもニッと、溶ける様な笑顔を見合わした。
「ねえ、義っちゃん」
暫くすると、瑠璃子の口の花びらがほころびて、先ず川村を呼びかけた。
たった五日前までは、川村さん、川村さんと呼んでいた相手を、もう義っちゃんだ。一通りの親しさではない。
「ねえ、義っちゃん、あたし達地獄岩に感謝しなければいけないわね。もし、あの岩が割れてくれなかったら、今時分、こんなことしてられやしないもの」
アア、わしの愛妻は、わしの変死を感謝しているのだ。
「フフン、地獄岩なんかより僕を褒めて貰いたいね。あの岩がうまい具合に割れて落たのを、瑠璃ちゃんはまさか偶然だと思っているんじゃないだろう。アア、考えて見ると恐ろしいことだ。僕は君の愛を独占したいばっかりに、大罪を二つも重ねてしまった。僕は二重の人殺しだ。こうまで尽している僕を、君はまさか捨てやしまいね。若しそんなことがあろうものなら、第三の殺人事件が起ることを、覚悟しておいでよ」
川村は、月の外には聞くものもないと気を許し、恐ろしい打開話をしながら、又しても、瑠璃子の背中へ手を廻した。