Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まよなかかられいめいまで

真夜中から黎明まで

豊島 与志雄

Lisez 真夜中から黎明まで (まよなかかられいめいまで) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 992 caractères · 4 écrans

Aozora Bunko

空気が恐ろしい勢で徐々に流れ出す、或は風の方向が一息に変る。そして地上のあらゆるものが震えながら肩を聳やかす。無生のものが生の息吹に触れて恐れ戦くに似ている。斯く天地万象が総毛立つと共に、蠱惑的な鬼気は物の深みに姿を潜めてしまう。それはただ物凄い時刻、まだ形を具えない恐怖と歓喜との渾沌たる時刻である。復活の戦きの時である。

その戦慄が暫く続くうちに、ふっと、全く何故ともなく凡てが消え去る空虚の時が来る。眼覚めながら息をひそめた時刻である。万象がむくむくと起き上りかけてまたとろりとやる時刻である。もはや其処には生も死も何物もない。月や星の光もぼやけ、闇の黒さも艶を失い、大地の上を押し渡る微風も息をつき、あらゆる物音が消え失せる。万象の律動がぴたりと合ったその隙間である。徹夜の者が最もひどい打撃を感ずるのは、この時刻に於てである。もはや口を利くことも、仕事を続けることも、起きてることまでが、堪え難い努力となる。天地がほっと眼覚めの息を吐きつくして、何故ともない躊躇のうちに再び息を吸い込みかねている、全く空虚な合間である。

そして俄に、輝かしい而もまだ仄かな交響楽が、何処ともなく起ってくる。