Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
Lisez 私本太平記(一) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 246 214 caractères · 495 écrans
「いや、高氏どのは、召によって、すでに国もとを出ておるが、まだ鎌倉表には着いておらぬ。……察するに、ここ幾日もの大雨に会い、旅路に手まどっているのであろうよ」
「では、ここ数日はまだ、鎌倉入りの旅の途中におわせられまするか」
右馬介は、考えていたが、矢もたてもなく。
「先年、渡良瀬河原にて、主従、西と東に裂かれて以来、一片の音信だに交わせず、今日にいたり、今は、寸時も早くお目にかかりとう存じまする。……それがし、途上までお迎えにまいるなどの儀は、公辺の憚り向き、如何なものでござりましょうか」
「なんの、いまは晴れて閉居を解かれた両名。いっこうその儀は、さしつかえはあるまい」
「さらば、下野国からの鎌倉街道は、ほぼ一と筋、さっそくですが、これよりお迎えに行てまいりまする」
「まあ、さは急ぐな。――そちの見えたことこそ幸いじゃ。途上、高氏どのに出会うたら、鎌倉入りの前に、云々の儀だけは、心得おかれよと、そちの口から憲房の意のあるところも、よう伝えおいてもらいたい」
憲房は、そういうと、自室の周囲から召使をみな遠ざけた。そして、それから一刻余り、右馬介にむかって、諄々と、何事かを託していた。