Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しほんたいへいき

私本太平記(一)

吉川 英治

Lisez 私本太平記(一) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 246 214 caractères · 495 écrans

Aozora Bunko

「食いつく犬には、足を引くのが人情なれど、執権の君に奉る献上のおん犬と知ったれば、引くは畏れあり、足くびぐらいは、惜しからじと、おん犬の口中へ、われから、餌に奉ったまででおざる」

高氏はけろとして言った。この返答は、人を食ったものだが、またいかにも、当意即妙に聞えたらしい。道誉もニガ笑いし、問注所衆の面々から“御簾ノ廂”の内の人まで、クツと笑いを怺えたようだった。

厳粛なるべき法廷に滑稽感は禁物である。高氏の言で、今、問注所のそうした空気も、ふと妙に、迷ぐらかされたのを見ると、主席の執事貞顕は、すぐその弛緩をひき緊めるべき職責に駆られていた。

「よろしいっ」

と、叱咤に似た頷きの下に。

「――やよ足利。二箇条の返答は、それと聞き措く。が、第三の御不審は、何ンと?」

高氏もまた、きびしく、あらたまって。

「それこそは、まったく、身の濡れ衣と申すもの」

「覚えなし、とか」

「かつての旅中、俊基朝臣にぜひ会い給えと、人の誘惑はうけたが、会うてはいない」

「誰よりさような手引きを」

「そこに、そら嘯いておる男より……」と、道誉の座を、顎でさして、

「察するに、事を逆しまにして、政所へ密訴せしは、そこな若入道でおざったな」