Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
Lisez 私本太平記(一) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 246 214 caractères · 495 écrans
ところが、じっさいには、明日を待たず、その夜の夜半、すでに六波羅広場と、七条河原の二た手においては、一部の兵馬が黒々とむらがり、
「いざ、行け」
との、上将の指揮を、待ちかまえていたのである。
探題の常盤範貞以下、六波羅の主脳は、この夜みな武装して、大和口の陣見場にあった。
昼、すでに鎌倉へは、早馬も飛ばしてある。「――はや猶予はなりがたい。探題の権限において、今晩、謀反人どもを、一網打尽にし、不日、鎌倉表へ差し立てまいらすべし」という、断乎とした事後通牒なのだった。
つまり、まず味方をあざむく計をとって、主謀者の公卿や武士どもを、京の中から遁すまいとしたのである。
「抜かるな、小串」
御紋の旗をさずけて、常盤範貞は、ここの兵馬を、激励した。
この手の主将は、小串三郎則行。
「仰せまでもないこと。明け方までには、曲者どもを引ッ縛り、後見参に入れ申さん」
やがて千余人、わざと五条大橋は渡らず、ひそやかに、加茂の下流をこえて行った。
この夜は九月十九日。
ときどき、雲間から顔をあらわす月が邪魔だった。
おなじ頃、七条河原に集合していた兵もうごき出している。