Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

Lisez 私本太平記(七) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 330 262 caractères · 662 écrans

Aozora Bunko

「松浦党だ! 松浦党だッ。――裏切りは松浦党と神田党だぞ」

悲調な叫びが野を掃いている。けれどべつな所では、

「龍造寺党だ」とも聞え、

「いや、草野党だ」

「相良党もだ」

と、いったふうに、まったく一致していない。

事実、離反者は名のりもあげず、いきなり矛をさかしまに味方の腹を切り裂いてあばれ出したものであるから、明確に捕捉しえなかったのも当然だった。

ただいえることは。一党や二党の少数の裏切りではないことである。

ために秋月寂心種道は、この逆巻く人海から逃げおくれ、ついに、あえない戦死をとげた。

また、浜の手方面の阿蘇ノ大宮司一族の軍も、箱崎方面へと一散になだれ立ち、なお、とどまる所なく太宰府の方へ落ちて行った。――そのうえ大宮司惟直も、弟の惟成も、本国へ帰る途中、尊氏方の呼応者にとりかこまれて、部下百六十人と共に、無残な死をとげてしまった。

わけて、惨たる人は、総大将の菊池武敏だった。

彼に、もう一刻の時をかしていたら、久原川の洲で、敵将足利直義を討ち取ってもいたろうに、せつなを、自軍の内から覆されて、城ノ越前、赤星六郎兵衛、ほか三十七人の旗本まで、みなバタバタと討死をとげ、彼自身も重傷を負って、からくも危地を脱しえたほどだった。