Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
Lisez 私本太平記(七) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 330 262 caractères · 662 écrans
「おうっ、介と頼春か」
「なんでございますな、いまの物音は」
「盗人が入ったのだ」
「え、盗人が」
「あかりをつけろ」
「は。ただ今」
室はまっ暗だったのである。右馬介は宿直の方へ灯を呼んだ。
すると尊氏は、
「ほかの侍どもは入れるな」
と、頼春に命じて、廊の仕切り戸を閉めさせた。
寝所の内には、枕が飛んでいた。また研ぎすました短い刀が落ちている。尊氏に投げつけられたものであろう。隅には小さくなって、うずくまっている人影があった。
「お。そやつでございますな、曲者は」
二人はそばへ寄って行った。山着の筒袖に膝行袴を穿き、布頭巾で顔をくるんでいたその者は、左右の腕を、いきなり介と頼春の二人につよく捻じとられたので、いやおうなく伏せていた胸を反らし、覆面のうちを短檠の灯に曝した。その顔は、思いがけなく、花みたいに白かった。
「やっ?」
二人は思わず手を離した。きのう庫裡へ物売りに来たあの販ぎ女なのである。またとっさに、あのとき尊氏が言ったことばも思い出されていた。
「介――」と、あきれ顔でいる彼へ、尊氏は一方の座から声をかけて。「ま。やさしく訊いてやれよ。なんでこの尊氏の命を狙うなどの不敵を抱いてここへ忍んできたものか。