Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しほんたいへいき

私本太平記(五)

吉川 英治

Lisez 私本太平記(五) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 252 330 caractères · 505 écrans

Aozora Bunko

と、背のずんぐり低いその武将は、与えられた床几へかけて、

「足利殿でおわするか。それがしは備後の住人、児島三郎高徳と申し、副将として、千種どのをたすけ、目下、男山の陣に在る者にござりまする」

と、中国訛りそのまま、朴とつなあいさつをしてみせた。

名を聞くのも、高氏には初めてな人だった。

しかし、千種殿の副将にえらばれたほどなら相当な武者ではあろう。また、伯耆のみかど後醍醐の信任もあさからぬ人物であるにちがいない。

さて、高氏が礼を返して、

「ご用命は」

と、いうのに対して、児島三郎高徳はまず言った。――さっそくな貴所のお使いにむくいて、自分はその御返礼使にこれへ遣されたにすぎぬものと、前提して、

「千種殿には、すぐさま船上山の行宮へ、足利帰順のよしを、奏上いたしおかん、と大そうな御満足。なお以後の軍には、万事官軍とひとつになって、めざましきご忠勤あるようにと、すなわちここに」

と、当座の感状と共に、預かって来た一旒の錦旗を高氏へ直接さずけた。

高氏には高氏の心のなかの旗がある。しかし彼は錦旗をかろんじるものでは決してない。うやうやしく拝受した。そして領家の奥に席をうつし、あとは高徳をねぎらいながら雑談に入っていた。