Classiques japonais avec furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
Lisez 私本太平記(五) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 252 330 caractères · 505 écrans
つづいて、なか二日おいての四日めには、名越尾張守高家の七千余騎の入京を見、また同時の鎌倉令をうけた地方武族も、五百、七百、あるいは千と、ぞくぞく諸道から会合し、たちまちこの新手は、精鋭二万余騎とかぞえられた。
ところで、総大将の名越尾張守はまだ若かった。北条一族中での名門であり、曠れの総帥の名に気負ってもいた。高氏は、その着陣早々に、じぶんのほうから彼の陣を訪ねて行った。そして、ことばも低く、
「諸事、おさしずを」
と、指令を仰いだ。
「む、両探題も加えて、作戦には、遺漏なきを期したい。足利どのも、明日は同道されよ」
と、尾張守は高氏を誘い、その日は共に六波羅に出向いた。
そのあとで、直義は気をもんだ。もし尾張守高家が上洛途上で、矢作の事件からすべてを看破しているとしたら? ――兄高氏は六波羅の内で手もなく逮捕されてしまうにちがいない。そう案じられたのだった。
「いや」と、師直は見通していた。
「尾張殿はまだお若い総大将。かりに道中で異な風聞をお耳にしても、そこは、伊吹の道誉が、ていよく申しくるめたことにちがいありませぬ」
「む、そうは思うが?」
直義はなお、不安でならず、万一のときには、どうするか。