Classiques japonais avec furigana
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くうちゅうせいふく
空中征服
賀川 豊彦
Lisez 空中征服 (くうちゅうせいふく) de 賀川 豊彦 (かがわとよひこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 107 687 caractères · 215 écrans
諸君は、煤煙はやむを得ざるものであって煙筒とは煤煙を製造する道具なりとお考えになる方もありましょうが、それは大きな間違いでありまして、煙筒はまったく石炭の燃焼しないために起こるものであります。否、煤煙は石炭の粉末を空中に送るのと同じことであります。大阪には大小煙筒らしい煙筒が三万三千三百三十三本あり、百尺以上の煙筒が、一千九百九十九本あるのでありますが(「よくまあ数えたものですなあ」と感心しているものがある)これらが吐き出す煤煙の量は一年間に四百四十四万四千四百四十四貫四十四匁に近いものであります」
――「それは出鱈目だ、少し計算が違っている」――と叫ぶものがある。
――「あの計算は合っておるやろ、あれより少いことはあるまい」
――「誰も計算してみたことがないから判らないよ」
「謹聴、謹聴」と言うものがある。
「すなわち大阪市は無用なる浪費をしているわけになるのであります。諸君は、金儲けのために煙筒もまたやむを得ないとおっしゃいます。しかしそれは算盤を持たぬ人の言うことでありまして、煤煙のために空気が悪くなり、空気が悪いために呼吸器病の人が増加し、毎年千人に対して五人だけ多く死ぬとすれば、その薬代と、診察料と、養生費とを計算するならば、我が大阪市のような都会においては実に大きな損害であると言わなければなら