Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くうちゅうせいふく
空中征服
賀川 豊彦
Lisez 空中征服 (くうちゅうせいふく) de 賀川 豊彦 (かがわとよひこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 107 687 caractères · 215 écrans
弔詞がすんで、棺は阿倍野の火葬場に運ばれた。
隠亡は棺を三等の穴に投げ込んで、合い鍵を渡し土を塗って火をつけた。
火が棺の下に回ったのを見届けて、一同は退散をした。
「とうとう賀川さんも灰になった! 」
こう言うて人足の一人が淋しそうに笑った。
× × ×
棺の中の賀川豊彦は火と煙が回るとともに精神を回復して来た。
「おい! ここはどこじゃ? 」
棺の中で死体が物を言うので、隠亡は逃げてしまった。
「幽霊じゃ! 幽霊じゃ! 」
「おい、おれは幽霊じゃないぞ、俺はやはり人間だぞ! そんなに燻るない! 」
賀川豊彦は煙にむせびなからそう叫んだ。
しかし誰も答えるものとてはなかった。
火が棺の全面に回ったらしい。頸といわず脛といわず一面に刺されるように痛むところをなでてみると血が泌み出している。
「こいつはいよいよ火葬になるのだな」
と覚悟をしていると、
棺桶の蓋の隙間から猛烈に煙が侵入して来る。もうこれでは窒息するよりほかに仕方がないと思ったから、最後の努力として棺桶の蓋を突破ることにした。
「ウン! 」と力を入て棺桶の蓋を突き破った。