Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちくはくき

竹柏記

山本 周五郎

Lisez 竹柏記 (ちくはくき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 45 798 caractères · 91 écrans

Aozora Bunko

「しばらくでした、御長男を儲けられたそうですね」

八束のほうからそう呼びかけた。

「お祝いにゆかなければならないんですが、遠慮するほうがいいと思ったので、つい失礼していました、どちらもお丈夫ですか」

彼は明るい顔をしていた。血色もよく、眼つきにも冴えた力がこもっていた。あの頃の卑しく汚れた感じや、不健康な疲れはきれいに無くなって、彼本来の、賢い聡明な性格が、活き活きと脈搏っているようにみえた。

「ちょっと話があるんですが」

八束はこう云って、廊下の隅のほうへ孝之助をさそった。

「職制改革について、格式の更新を願い出たのは、貴方だということを聞きましたが、それは事実ですか」

孝之助はそうだと答えた。

「まずかったですね」八束は眉をひそめた、「――もう少し時期を待つべきでした、あのとおり気の短い御性質で、それに大名もの識りの狭い御思案しかないから、御改革に対する不満、というふうにとられたらしいんですよ、もちろん高安さんの主張は正しい、格式上の負担をそのままにして、職制だけ変えるというのは片手おちですからね、しかしもう少し待ってからにすべきでした」

孝之助には云うことはなかった。