Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

すさのおのみこと

素戔嗚尊

芥川 竜之介

Lisez 素戔嗚尊 (すさのおのみこと) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 42 917 caractères · 86 écrans

Aozora Bunko

その代りもしあなたが死んで、あなたの相手が勝負に勝ったら、あの連中はきっとあなたの相手を憎んだのに違いないでしょう。」

「世の中はそう云うものでしょうか。」

その時尊は返事をする代りに、「引いていますよ」と注意した。

素戔嗚はすぐに糸を上げた。糸の先には山目が一尾、溌溂と銀のように躍っていた。

「魚は人間より幸福ですね。」

尊は彼が竹の枝を山目の顎へ通すのを見ると、またにやにや笑いながら、彼にはほとんど通じない一種の理窟を並べ出した。

「人間が鉤を恐れている内に、魚は遠慮なく鉤を呑んで、楽々と一思いに死んでしまう。私は魚が羨しいような気がしますよ。」

彼は黙ってもう一度、古沼へ糸を抛りこんだ。が、やがて当惑らしい眼を尊へ向けて、

「どうもあなたのおっしゃる事は、私にはよく分りませんが。」と云った。

尊は彼の言葉を聞くと、思いのほか真面目な調子になって、白い顎髯を捻りながら、

「わからない方が結構ですよ。さもないとあなたも私のように、何もする事が出来なくなります。」

「どうしてですか。」

彼はわからないと云う口の下から、すぐまたこう尋ねずにはいられなかった。実際思兼尊の言葉は、真面目とも不真面目ともつかない内に、蜜か毒薬か、不思議なほど心を惹くものが潜んでいたのであった。