Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
Lisez 聞書抄 (ききがきしょう) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 108 821 caractères · 210 écrans
下
のも失礼ですから、工夫の暇が惜しいと思いますけれども、委細を聞いて戴きましょうと云いながら、しずかに下のように語り出した。―――
下
わたしは河内の国の生れで、楠の家とは一族になります篠崎掃部助と申すものゝ一子、六郎左衛門と申すのです。親にあたっておりました者は正成のために随分と重く用いられて一大事の相談にもあずかり、萬事を取りしきっていましたので一門のあいだにも名を知られ、世間にも聞えていましたが、正成が討死しましたときに一所に腹を切りました。そのゝち正行が跡を継いで遺族のものを疎略なくあつかってくれましたから、私どもゝ大切に勤めておりますうち、その正行もやがて討死するようなことになりまして、四条縄手のたゝかいの折には私も一所に討たれましたけれども、どう云う訳か不思議に敵の眼に附かず、首を掻かれなかったので、少しの息の通っていましたのを知っている法師が見つけ出して、或る所へ担いで行って、看病をしてくれましたおかげで、死ぬ筈の命が助かったのです。さてそれから今の楠正儀が世継ぎをいたし、私の親をまさしげが扱ってくれたと同じように大事に扱ってくれまして、互に頼みに思いながら暮していましたが、世間の噂では、その正儀が足利殿へ降参をするとか、するらしいとか申しますので、以ての外のことだと思い