Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
Lisez 聞書抄 (ききがきしょう) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 108 821 caractères · 210 écrans
それは、秀次以下の亡霊を慰めるのが第一の目的であったけれども、行者との間にだん/\親しみが加わるにつれて、お墓参りよりも彼が折にふれてぽつ/\と話す昔語、分けても彼自身の半生の経歴談に惹き付けられて、それを聞かして貰うことが楽しみになったからであった。
挿絵
草庵と云えば何か風流にきこえるけれども、当時河原には浮浪人の小屋がたくさん建っていたであろうから、順慶の住居もつまりそう云う乞食小屋の一種であったのに違いあるまい。順慶はそこに小僧と二人で住んでいたのだが、娘と乳母が訪ねて行くと平素の暗い顔をやゝ明るくして、
「きょうもお参りをして下されましたか、御奇特なことでござります」
と云ったり、
「御苦労さまでござります、忝いことでござります」
と、我がことのように礼を云った。
挿絵
娘の記憶するところに依れば、順慶はよく彼女を膝の上に抱き寄せ、その髪の毛や両頬のあたりを愛撫しながら、「お可愛らしいお姫様じゃ」とか、「ようくり/\とお肥えになっていらっしゃいますな」とか云ったりしたが、娘はそう云う風にされるのが薄気味が悪かった。可愛がってくれるのは有難いけれども、垢だらけな衣を着けた行者の体には嗅ぎ馴れない異臭があったし、その上行者は、皮の厚いざら/\した掌で、髪の毛を掻き分けたり顔を撫でたりするのである。