Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
Lisez 聞書抄 (ききがきしょう) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 108 821 caractères · 210 écrans
自分は貴下がかの盲目物語の資料と着想とを那辺より得られたかを知らないけれども、偶自分の手元にも、あれと時代を同じゅうするのみか略背景をも同じゅうしながら、あれとは自ら異った一箇の盲目物語があることを、知って戴きたいのである。自分は敢て、貴下の盲目物語よりも自分の珍蔵するものゝ方が優っていると云うのではないが、しかし此の盲人の経歴を彼の盲人のそれに比べるに、その舞台の大がゝりで色彩に富む点に於いて、その悲劇の異常にして深刻な点に於いて、必ずしも此れが彼に劣っているとは信じられない。のみならず、もし此の物語を貴下が得意の霊筆に依って彼の物語のような形式に書き改めるとしたならば、その人を感動せしめることはかの物語以上であろう乎。そうして見れば、小説家たる貴下に取って此の書の歴史的価値の如何などは深く究めるに及ばないと思う云々」と。私は自分の職業上、未見の読者からこう云う種類の紹介に接することはたび/\であって、多くの場合それが期待に外れることを承知しているのではあるが、当時、此の書簡には一往の興味を覚えたので、取り敢えず某氏に宛てゝ返書をしたゝめ、右の写本の借覧を乞うたところ、重ねて某氏より「御用済みの上は成るべく早くお返しを願いたい」