Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

らしんのにょせん

裸身の女仙

野村 胡堂

Lisez 裸身の女仙 (らしんのにょせん) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 437 caractères · 29 écrans

Aozora Bunko

「そんな嫌な事を言っておくれでない――、それはそうと、あれほど此邸の側へも寄らないようにと言って置くのに、何うして潜り込んで来たのだえ、源吉」

お鳥はたしなめるように、斯う言い乍らも、幾年振りかで逢った、一座の弟太夫、あの綱渡りのうまい源吉を、世にもなつかしく眺めるのでした。

「姐御、すまねえ、俺だってこんな、泥棒猫見たいな恰好までして、人の家へ忍び込み度くはねえが、二年振りで江戸へ帰って来ると、矢も楯もたまらず姉御に逢い度くなったんだよ」

源吉は、この二つばかり年上の美女を物悲しく見上げました。小さい時から一座に育って、恋というにしてはあまりに親し過ぎる二人は、手を取り合って心ゆくばかり話すか、それとも、二匹の犬っころのように、存分に喧嘩でもし度いような、悩ましい衝動をどうすることも出来ませんでした。

「皆んな丈夫かい」

お鳥もツイ一足踏み出しました。張子の球にも鞦韆にも、手を組んで乗った源吉が、今でも親身の弟のように思えてならなかったのです。

「あ、親方も、お神さんも、一座の者は皆んな丈夫だよ。姐御が抜けてから、碌に目は出ないが、それでもまア、その日に困るようなことは無い。