Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きおくちがい
記憶ちがい
辰野 隆
Lisez 記憶ちがい (きおくちがい) de 辰野 隆 (たつのゆたか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 623 caractères · 4 écrans
「久しぶりだな、全く。」
「久しぶりどころじゃないね、五十年ぶりだもの。」
こう云って、声を揃えて笑ったのは、何れも老人で、二人とも今年は算え歳の六十三である。この“久しぶり”という間投詞のような挨拶は、今しがた、二人が会ってから、もう二、三度繰返されていた。午食には既に遅く、夕飯には未だ早い半端な時刻に、二老人は都心に近い賑やかな街の小料理屋で盃を重ねている。
「先刻、電車の中で、どうして俺だってことが判ったんだい? こっちはまるで気がつかなかったんだが、向い合って腰をかけているお爺さんから、いきなりYちゃんじゃないか? と言われた時に、初めて俺は五十年前の記憶が一時に甦って来たので、Nちゃんだったね、と言ったら、君が、やっぱりそうだったか、と言ったね。」
「俺は俺で、腰を下して向い合った時から、Yちゃんだな、とは思ったんだが、腮の左側に見覚えの黒子が無いので、或は間違いではないかとも考えたが、結局思い切って訊いてみたのだ。」
「黒子は顔を剃る時に邪魔になるので、もう疾うの昔、薬で焼いてしまったよ。ところで、Nちゃん、君と判ってから、直ぐに思い出したことがあるんだが。