Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 157 440 caractères · 313 écrans
親分さえそのおつもりなら、今直ぐでも御案内いたしましょう」
お銀の話は恐ろしく具体的になりました。
斑組六人男が盗み溜めた二万両の金、――そのうちの尾州御用金一万二千両だけでも七、八人の命をかけた、恐ろしい呪いの金です。――その二万両の金を今ここで見せてやろうという、お銀の無造作な言葉は平次を驚かせました。
「それは本当か、――何処にその二万両を隠してあるのだ」
「近いところですよ、親分」
お銀は落ちつき払って銚子に手を伸べるのです。
「それを見せてもらおうか」
「まア、ゆっくり話しましょうよ、親分。一杯召し上がりながら、お楽さんは八五郎親分をつれ出したし、夜が明けるまでは、邪魔の入る心配はありません」
お銀の態度は自信に充ちておりました。これだけの餌をやって置けば、江戸開府以来といわれた名御用聞の銭形平次といえども、木偶のように操縦が出来ると思っているのでしょう。
「だが――」
平次は受太刀でした。斑組六人男の首領を召し捕って二万両の金を取り返すことが出来れば、十手捕縄を預るものとしては、これに越した誇りはありません。
「ね、親分。私はそのために、命を投げ出していることは、よくおわかりでしょうね」