Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 157 440 caractères · 313 écrans
「親分、本所の叔母さんがやられましたよ」
八五郎の長んがい顔が躍り込んだのです。
「何んだ、本所の叔母? お前の叔母さんは向柳原じゃないか」
平次は自若として動じません。
「あっしの叔母じゃありませんよ。近江屋の小僧の定吉が、昨夜始めて金沢町へ帰って来ると、その留守中にあの叔母さんのお里とかいう、青脹れの婆さんがやられたんで」
「何? 定吉の叔母さんがやられた。お前は見たのか」
「石原の利助親分のところから、若い者がとんで来ましたよ。銭形の親分にそういってくれって」
「よし、行こう」
平次は手早く支度をすると、八五郎と一緒に飛びました。
本所石原の空地、置き忘れたような家は、土地の御用聞が厳重に見張っておりますが、定五郎が殺されてから、一と月と経たないうちにこの騒ぎですから、空地は群がる弥次馬でいっぱい。それを押しわけて入ると、
「あ、銭形の親分、丁度宜いところへ――」
今検屍が済んだばかり。石原の利助の子分達は、この奥行の深そうな事件に手を下し兼ねて、心待ちに銭形平次の出動を待っているところだったのです。
「利助親分は?」
「まだフラフラしていますよ。今日は姉さんに来てもらいましたよ」