Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 006 caractères · 25 écrans
明日改めて貰いに来るから、一と晩だけはそのままにしておいてくれ」
お雪の物悲しい瞳に引摺られるように、八五郎は出口の方へ外れました。
「本当に貰って下さるか、八五郎親分」
「いいとも、二千両と纏まれば、何かの足しになるだろう」
何かの足しどころではありません。その時分の二千両は、今(昭和十六年頃)の二千万円にも通用するでしょう。八五郎などは一生のうちに一度もお目にかかることの出来ない大金です。
「でもちょいと見て下さい。――親分」
「見るだけなら――」
卑怯と思われたくないで一ぱいの八五郎は、滝三郎の後からまた穴蔵の入口に引返しました。
物置の床を剥いで、暗いだんだんを下ると、中は石と材木で畳んだ道で、それを二三間行ったところに樫の朽ち果てた扉があって、押し開けると中は四畳半ほどの黴臭い穴蔵、一方の隅に寄せて、四つ五つ重ねた箱があります。
「この通り、二千両くらいはあるだろう。これはみんな親分のものだ。持って行きなさるとも、ここへ預かるとも勝手だが、この事だけは内々にして下さい。頼みますよ、親分」
箱の中から、山吹色も真新しい小判をザクザクと掬いあげて、滝三郎は拝むのです。