Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 130 082 caractères · 257 écrans

Aozora Bunko

「そんな事じゃないよ、兎も角、見張って居さえすりゃいい」

平次は謎のような事を言って、明神下へ帰ってしまいました。

其処には平次の恋女房のお静が、いつものように、若さと美しさを発散させながら、更衣時の仕事に忙しく立ち働いているのでした。

「お静」

「ハイ」

「ちょいと来てくれ」

平次は黙って家の中へ入ると、火の無い長火鉢の向うに坐って、煙管を取上げました。

「まァ、お前さん、どうなすったの」

襷を外して、その前へ、お静は覚束なく膝を揃えたのです。

「お前は、俺に隠して居ることがある筈だな」

「えッ」

「臍くりを拵えた位のことで、文句を言う俺じゃねえが、お上の御用のことに、余計なちょっかいを出すと、俺一人の手落ちでは済まねえことになるよ」

「まァ、お前さん、そんなに腹を立てて」

お静は胆をつぶしました。好いて好かれて一緒になってから、もう幾度も門松を潜った仲なのに、まだ一度も、こんな厳重な顔をする夫を、見たことも想像したことも無かったのです。

お静の華奢な――でも健康そうな五体から汐の引くように、血が引いたように思いました。大きい眼を不安と疑惧に見開いたまま、可愛らしいものの譬えにまでされた「お静さんの弓なりの唇」