Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なべしまかいのかみ

鍋島甲斐守

吉川 英治

Lisez 鍋島甲斐守 (なべしまかいのかみ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 322 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

五

この男も、奉行の鍋島甲斐守と同じように、手頸の奥に数珠をかけているのであった。

五

田所町の草分だった半田屋は戸を閉めてしまった。その後へ、彦兵衛は自分で行って、名標を釘で打って来た。

『あそこへ住むと、行燈も一つや二つでは間にあわない。障子の貼りかえだけでもたいへんな事になる。これは考えものだ』

名標は打ったが、住む事は断念したらしい。

そのかわりに、「売貸家」の札を貼った。

家作はほかにもたくさん持っていた。彦兵衛の仕事は、毎日家賃と利子の取り立てに廻ることだった。

『家主さん、水口の閾を修繕してくれなくっちゃ困るじゃねえか。もう腐っているんだ』

『御尤でございます。何とかいずれ』

そんなふうに、どこへ行って、どこを押されても、御尤で引退ってくる。

『てめえ位、猫ッ被りはねえぞ。屋根を修繕さねえうちは家賃はやれねえからそう思ってくれ』

呶鳴りつける者もままあるが、それに対しても、エヘラ笑いと、御尤さまであった。

養女のお高は、夕方、父の帰りのおそいのが何より心配だった。

(今にあいつ奴、きっと、碌な死にざまはしねえぜ)

などと世間の声が、自然彼女の耳へも入るからであった。