Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なべしまかいのかみ

鍋島甲斐守

吉川 英治

Lisez 鍋島甲斐守 (なべしまかいのかみ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 322 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

『そちの書かせた証文、そちの意志で何とでもなる』

『そこが、少々、世間と手前とちがうのでございます。手前は、証文に使われている雇人で、証文を自由にする主人ではございません。それ故に、人様へ金を貸せる身分になれたのでございます』

『そちの旧主が、あのように嘆いているのを哀れとは思わぬか』

『御尤でございます。――けれど世の中に、金を借りる人間ほど勝手なものはございません。借る時は手前を神か阿弥陀様のように拝みます。さあ今度は、返すという段になると、人を鬼呼ばわりしたり、居留守をつかったり、罵詈讒謗いたしたり、あげくに、払いもせず、脅すという人間もございます。百人へ貸して、九十九人までがそれなんで、哀れをかけてやる気になどなりません』

『然し、此度の場合は、旧主ではないか。かりにも、其方の奉公した店が、其方の一存で潰れるか立つかの境、見殺しにしては、寝ざめがよくあるまいが』

『…………』

又、御尤ですと云うかと思うと、彦兵衛は俯向いたまま黙っていた。

たたみかけて、

『一体、あの家を抵当に取って、そちはすぐ転売する気か、他へ売るにしても、半年や一年は空けておかねばなるまい。