Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
Lisez 魔術師 (まじゅつし) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 139 264 caractères · 280 écrans
「お願いだ。殺してくれ。殺してくれ。この上生恥をさらすのは耐らない」
と世迷言をわめき立てた。
「お父さん、お父さん」
文代も、父のあまりのみじめさに、声を上げて泣き出した。
可哀相だ。併しそれだからと云って、この罪人を許す訳には行かぬ。まして、故もなく殺すことが出来るものではない。
「何という醜態です。悪人なら悪人らしく、正しい裁きをお受けなさい」
明智がつき放したので、源造はたわいもなく船底にぶっ倒れたが、暫くすると、ふと何か思い出した様子で、ピョコンと起上り、半狂乱の体で階段を駈け昇って、自分の部屋へ飛込んで行った。
戸棚を探すと、あった、あった、黄色い小さな薬瓶。これさえあれば、何も生恥をさらすことはない。
彼は目をつむって、その薬をゴクリと飲みほした。そして、グッタリと椅子に腰をおろし、空ろな目で、遠くの方をじっと見つめていた。
「アア、とうとうそれを飲みましたね」
明智が這入って来て、やっぱりニコニコしながら声をかけた。
「どうです。苦しいですか。あの薬どんな味がしましたね。変じゃなかったですか。シャンパンみたいな味がしなかったですか」
源造はそれを聞くと、不気味な表情で、ニヤニヤ笑った。