Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まじゅつし

魔術師

江戸川 乱歩

Lisez 魔術師 (まじゅつし) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 139 264 caractères · 280 écrans

Aozora Bunko

「爺や、お前そこに書いてあった字を覚えているだろうね」

二郎の目の色が変っているので、音吉爺さんドギマギしながら、答える。

「ヘエ、誰がいたずらをしたんだか、困った奴等です」

「イヤ、そんなことどうだっていい。爺や思い出しておくれ。何という字が書いてあったのか。まさか数字じゃあるまいね」

「ヘエ、数字、アア、そうおっしゃれば、数字だったかも知れません。あたしゃ横文字は苦手でございましてね。よく読めませんが、エートあれは幾つという字だったか」

「そこへ指で形を書いてごらん」

「形は訳ございませんよ。この横の棒の下に、こう斜っかけに一本引張ってあったんで」

「それやお前、7という字じゃないか」

「アア、そうそう、七だ、七でございますね」

二郎は真青になって立ちすくんだ。昨日は8、今日は7だ。いたずら書きと云ってしまえばそれまでだが、この一目下りの数字の出現が、果して偶然の一致だろうか。下手くそな落書きみたいなもの丈けに、一層不気味にも思われるのだ。

その翌日は、二郎の方で、例の数字の出現を心待ちに待ち構えていた。しまいには邸中をアチコチと歩いて、どこかの隅に6という字が現われていはしないかと、探し廻りさえした。