Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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めいせつじじょでん

鳴雪自叙伝

内藤 鳴雪

Lisez 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) de 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 693 caractères · 377 écrans

Aozora Bunko

それには昔は烏帽子親ともいった如く、最初の剃刀をあてるものは特に目上の人を選ぶ例であったから、父の実父たる菱田の祖父がそれをしてくれた。同時に助之進という通称の外に師克という実名をつけた。これはその頃名乗といって、通称の外に元服後はなくてはならぬものであった。この方は実母の里交野から実母の姉が中島というへ嫁していた、その夫の隼太というのが明教館の助教で、私も時々教えを受けていた関係もあるから、つけてくれたのである。師克とは、父の実名が同人で易の同人卦からとったので、同じ卦の大師克相遇という爻の詞を採ったということであった。

元服をすると、最初若い者の仲間に遇えば『お似合お似合』といって額を打たれるのが習慣になっていたが、私は明教館でもまず学問の方では或る造詣をしていたし、撃剣場などでも、父の役目に封して多少憚られていたから、幸に額の痛いほど打たれたことはなかった。しかし自分には変った顔となったのが恥かしかった。この際衣服の袖の八ツ口を全く止めて総てが大人振って見えるようになるのだ。

元服と同時に撃剣の師匠橋本先生から切組格という段式を貰った。かように大人中間に入ったので明教館の漢学はいよいよ励まねばならず、また由井、錦織、籾山などの学事の交際や、郊外散歩なども相変らずしていた。