Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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めいせつじじょでん

鳴雪自叙伝

内藤 鳴雪

Lisez 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) de 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 693 caractères · 377 écrans

Aozora Bunko

十五

これも易の坤卦から取ったので、そうしてこの度失った実印も永貞と彫っていた。しかしそれを今後名乗るのも気がかりなので、更に素行と改めてそれを実印に彫刻せしめた。これは中庸の文言から取ったのである。しかるに後年何事も成行きに任すという事の当て字で鳴雪と俳号を付けた関係から、この素行までを、ナリユキと読む人があるが、これは元来モトユキと読ませているのである。

一事言い落したが、私の上京した際、かつてもいった弟の薬丸大之丞は大学南校の貢進生で居たのがこの頃はかような生徒の廃止せられたので、従って藩費も貰えぬ事になっていた。けれどもその頃の生ま意気書生などにおだてられてどうかして他に学費を得てそのまま修行を続けるつもりだといっていた。藩地の父は頗るそれを心配して私の上京を幸に、大之丞は是非とも郷地へ帰すようにと命じたけれども彼は容易にそれを承諾せなかったが、終に叱り付けて帰してしまった。この際餞別として例の猿若の芝居を見せて遣った。この他にも由井氏と同行したりあるいは自分一人で芝居の見物は随分したのである。

十五

今回の出京は、英学の修業が目的であるのだから、その手順を求めたのであるが、私といい由井氏といい、書生としては老書生であるので、まさか少年輩と同じ級で、ABCを習うのも間が悪い。