Classiques japonais avec furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lisez 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) de 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 693 caractères · 377 écrans
十九
で、地方の百姓を相手に閑居して、この患者を療養するをこの上もない楽みとしている、けれども絶えず読むものは読んでいると見えて、東京その他の俳事の状況や変遷はよく知っていて、その句作も旧によって健実である。またこの人に次いで秋田地方では、島田五工氏なども、子規氏の俳風に同化して、俳星という雑誌まで出していたが、この頃は心機一転したものか、それを出す事もやめてしまった。
十九
今の如く青々氏や露月氏の事をいったついでだから、なお遡って、子規氏と共に俳句を作り始めた古い人々のこともいって見よう。その頃最も才気があって、現代の文芸主義にも早くより通暁していた者では藤野古白氏がある。氏は子規氏の従弟で、早稲田の学校では後に有名になった島村抱月氏と同級であったのだが、夙くより個性とか自我とかいうような意味で文芸を扱うことに気が付いて、それを俳句にも応用した様子が見える。そうしてその頃或る家の女子を思い初めて、それが他に嫁したという失恋から、一時狂的の行為もあったが、再び心を静めて専門に文学を研究して坪内逍遥氏などにも愛せられていたのであるが、余りに抱負が高尚で卒業の論文を書いても書いても意に満たないで、卒業はさせられたものの、また再びふらふらとした気分になった。